7時19分による文章の類
by 7時19分
見えない夕日に誓う
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 僕はなんて欲の深い人間なのだろうと思う。あれもこれもと欲しがって、結局はすべてを失う羽目になってしまっている。まだ命が残っているだけありがたがるべきなのかもしれない。むしろ、こんな命、などとさえ思ってしまう。

 僕は目の前に広がっている日本海を前にくさっていた。くすぶって、澱んで、排水溝の中を走り回るドブネズミのように真っ黒だった。夕日が、真っ黒にくすぶっている僕を茜色に染めている。でも、僕の背中から生えている影までは染めることはできない。むしろ、染めて欲しくなかった。

 希望が欲しい。ふと、僕は思う。僕はまだ何かに期待しているのだ。助けが欲しい、本当はそう思っているんだ。どこまで落ちても僕は欲深かった。そんな自分が情けなくて、泣きそうになるのをぐっとこらえたら、可笑しくなって笑えてきだした。くすくす笑いながら、弱いなあと口に出したら、今度は涙がこぼれだした。

 人間っていうのはどうしてこうもよく分からないものなんだろう。頬を伝った一粒の涙が砂浜にしみこんで、あっという間に見えなくなった。僕もこんな風に砂に溶けてしまいたい。そう思った。

 もう日が沈みきって暗くなった帰り際、誰かが掘った落とし穴にはまった。腰まで浸かって、最高に残念な気分だった。砂に溶けてしまいたいなんて二度と思うもんかと誓った。




#HOLGA135
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by mottohikariwo | 2009-01-28 22:14
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