7時19分による文章の類
by 7時19分
名残雪
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 なんだか暖かくなってきたなあと思っていたら、庭の梅の木が花をつけていた。次の日、やっぱりまだ寒いやなんて思っていたら雪が降っていて、梅の花は雪化粧を施していた。ピンクと白のコラボレーションは、すでに降り止めた厚い雲の隙間を縫って注ぐ、まっすぐな日の光に照らされていた。なんだか不思議な光景を目の前にして、そうかと、僕はつぶやいた。これが名残雪ってやつか。

 この雪は明日にはきれいすっかり消えてなくなってしまう。たぶん。でも僕の名残はまだ当分消えてなくなってはくれないのだろう。もういなくなってしまった彼女や、両親、兄弟、そして僕自身も。僕たちはこの地球の名残雪みたいな存在で、いつまでもこの星にすがり付いていたいと思っている。多分明日には消えてしまうのが分かっていたとしても、ちょっとでもその存在を誇示したいがために、なにかしらのアピールをとっている。たとえそれがくだらないことだと分かっていたとしても。
 
 ねえ、僕らはもう名残を残しすぎた。そうは思わないかい?



*HOLGA135
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by mottohikariwo | 2009-04-18 03:32
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