7時19分による文章の類
by 7時19分
眠るまでの散歩
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 ついさっきまで寝ていて、その間に見ていた夢は自分が飛んでいた夢だった。ふわふわと雲の間を通り抜けて、訳も分からず叫んでいたような、そんな夢だった。それに、夢の中で自分は笑っていた。笑っていたし、泣いてもいた。たぶん、眠ってしまうまでの出来事が、そのまま夢に表れたような気がする。

 眠る前にわたしは散歩をしていた。大雨のあとで、ようやく太陽の光が降り注いだ瞬間だった。わたしはいつ訪れるとも分からないその晴れ間を、リビングの窓越しに時計をチラチラ見ながら待っていた。時計の針が午後の三時過ぎを回った頃ににようやく雲がひいた。雨上がりを待っている間、お母さんのむいてくれたリンゴをほおばっていたはずなのに、なぜだかお腹は物足りないと言いたげにぐうと鳴った。そんなお腹を気にしつつ、わたしは勢いよく玄関を飛び出した。

 スキップでもしたくなるようなそんな空だった。さっきまでの厚い雲は遥か彼方に飛んでいって、仰向けになれば青い空しか見えない。

 遠い空に虹がかかっていた。ちゃんとした七色の。教科書で見るようなはっきりとした。それはもう立派な。

 その虹を背景にしてわたしが見たかったそれがふわふわと空中を漂っていた。

 気球。

 くらげみたいな、いやそれ以上にゆったりとした動きで空に浮かんでいた。これが見たかった。今日しか見れない、その気球。

 ぼんやり、と、空と気球を見ていたら思ったより大きなくしゃみがでた。




#デジタルハリネズミ
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by mottohikariwo | 2009-11-02 03:31
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