7時19分による文章の類
by 7時19分
性悪説のひとつとして
f0182052_01331050.jpg

 界隈で知り合った一組の男女と、その知り合った男の部屋へ私を含め三人で向かった。その男は用事があるとも言わず部屋を出て行ってしまったので、女を優しさでくるんだ下心で口説いて自宅へと抜け出した。
 帰る道すがら、学生時代の女友達や会社の元同僚に出くわしたが笑ってごまかし自宅へと急いだ。下心で一生懸命なのは疑いようのない事実だ。

 自宅は小学生時代に住んでいたアパートに似ていて、一階だった。鍵を開けると嫁の姿が見えた。

 振り返って女のきょとんとした顔を見るなり私は、ごめん、嫁とその友達が帰ってきてるから今日は無理だわ。そう言って何故か自宅の鍵を女に手渡し追い出した。女の顔を見ることが出来なかった。

 嫁と友達がいる部屋に入り、冷や汗をかいているところで目が覚めた。

 喉が渇いていて、両手は股間に被さっていた。リビングのテーブル脇でいつの間にか寝ていたらしい。

 元々が下衆な人間なんだ。どんなに良い人の皮を被っていたって。

 テーブルに置いてあった生温いお茶を飲み干し、キッチンの換気扇下で煙草に火をつけた。行きずりの女とヤレなかった残念な気持ちと、まだ仕事から帰ってきていない嫁に申し訳ない気持ちと、まだ目が覚めきっていない混沌とした気持ちが、疲れきって怠い体の節々に纏わりついている。

 自分好みでもないが美人だと思った行きずりの女の顔は、もう思い出すとこも出来なかった。
[PR]
by mottohikariwo | 2016-07-29 01:24
<< 夢散文 なにをもって正しいか >>